培地開発委員会(日本卵子学会に設置されています。)では、ヒトの体内(卵管の中)で受精卵が育つために本当に必要な成分が含まれた『国産培養液』を作り上げることを目指して開発を進めてきました。
2009年より、ヒトの卵管内環境を分析し、5年以上の歳月を経て、ようやく3種の培養液候補が作製されました。現在、当院の宇津宮院長が培地開発委員長を務めて、更なる研究を進めています。
現在、体外受精で患者さんの受精卵を育てる培養液は、数多くの種類がありますが、全て海外からの輸入品に頼っています。
この度開発された新培養液は、完全なヒトの体内環境をモデルとして作られた純国産のものです。「ヒト受精卵にとって本当に必要な物質が、必要な分だけ」含まれた培養液がようやく実現可能になろうとしています。
そこで、更なる検討を進めるための最終チェック段階として、実際にヒト胚を培養した有効性の評価が必要です。この評価にあたり、胚の研究使用について、患者さんの同意が得られた凍結受精卵を使用させていただきます。
比較検討を正しく行うために、1種類の市販培養液、それと新培養液候補3種類の計4種を用いて受精卵を培養し、形態的発育評価および生化学的解析を行い比較します。そこで得られた結果をもとに、最終的に新培養液を選定する予定です。
・培養試験に使用する受精卵は、すでに患者さんより同意の得られた、治療に用いることのない
廃棄胚とします。
・過去に廃棄胚の研究使用について同意した患者さんでも、同意を撤回することができます。
・同意を撤回する場合は、以下にご連絡いただきますよう、お願いいたします。
【連絡先】 TEL:097-547-1234
E-mail:st-luke@oct-net.ne.jp
担当:培養室 熊迫
<研究参加施設:JISART施設(50音順)>
いしかわクリニック、京野アートクリニック、蔵本ウィメンズクリニック、セント・ルカ産婦人科、
英ウィメンズクリニック、ミオ・ファティリティ・クリニック、吉田レディースクリニック